塩田ノア 「ノア流」パリ生活東京ライフ

paris 東京 往復生活 で忙しい!

ブログでは、わたくしの作った、食べたなどを書いています。
そして、料理教室のことも。その料理教室はこんな。
東京アトリエのレッスンは、4名のグループを作ってお申し込み下さい。
毎月何日、とか決めていませんが、前月頃にブログに次回のアトリエ予定を書きますので、ご友人でお誘いあわせの上でね。ブログ書いてある、日程がご都合に合わない場合でも、ご相談いただければ、ある程度調整できるかと、思います。
Facebookページのメッセージ欄でお申し込みをお待ちしています。
 料金は1グループで2万4千円頂いています。ご事情で3名の場合まで、アトリエは行います。その場合、2万円となります。
お支払いはお手数ですが、アトリエの8日前(前の週の、同じ曜日)までにお振り込みをお願いします。お申し込みの際に口座番号をお知らせします。
キャンセル、日程、人数のご変更も8日前(前週の同じ曜日)までに、お願いします。(振り込み料を差し引いて、ご返金させていただきます)
 アトリエの開始時間は10時30分。お作りいただく皆様のスピード次第で、13時30分から14時30分に終了。
 料理は、基本的に前菜、パスタ、メイン、デザートです。真夏を除いて、パスタは手打ちです。前菜、メインは、食材の入荷状況により、グループごとに異なることもありますが、ご了承下さい。ワインをお出ししますので、お車はご遠慮願います。
 エプロン、手ふき、筆記用具はご用意していますので、とくに持ってきていただくモノはありません。けっこうボリューミーなので、お腹は空かせてきて下さいね。

昔のブログ http://michawhitecat.cocolog-nifty.com Parisアトリエの話がいっぱい

tortelliniinbrodo


今回のアトリエのパスタはトルテリーニインブロード(tortellini in brodo) です。
指先ほどのラビオリをブロードで直煮して頂きます。
このブロードですが、イタリアンでブイヨンの意味ですけれど、イタリア料理では普通はいわゆるコンソメを出すことはあまりなく、このブロードが透明なスープと考えれば大体近い。

今回は、鶏ガラ3羽分と手羽先6本、タマネギ(クローブを指す)、セロリ、ニンジン、そしてコクを出すために昆布とドライトマトを少々加えました。
トマトやは生のものを加えた方が肉のアクをうまくまとめてくれるのですが、今回トマトを買うのを忘れ~。
昆布もアクをまとめやすくしてくれまし、味も良くなる「ノア流」。
ドライトマトはスープを琥珀色にして、コクを増してくれる効果があります。
 鶏ガラは熱湯をかけてから、流水で、きれいに洗い、大きな鍋に他の材料と共に入れて、自らゆっくりと煮ていきます。
 アクが浮いてくるのもていねいにすくい、途中からは市販されているあく取りシートを使うとラクでしょう。大体2時間くらい煮込んでから、いったん漉し。もう一度全体で1.5リットル以下になるまで煮詰めます。
 

 アトリエではブロードまで作って頂くのは、さすがに時間的に無理。そして、レシピには4人で大体3カップ分のブロードが必要ですよ、の記載のみにしました。

 パスタだけじゃなく、美味しいスープも主役のこの料理ですので、スープも手作りして頂きたい気持ちは200パーセント、ではありますけれど、あんまりこだわると面倒くさくなって、お作り頂けないのも困る。

 次善の策?としては、顆粒スープや固形スープを指定の2.5倍くらいの薄さに時、野菜は少しずつ(例。ニンジンの尻尾、セロリの葉先少々、タマネギもちょこっと)と手羽先2~3本を入れて20分くらい煮て漉す。

 この方法だと、まだ手羽先から味が出きらないので、おかずとして使えるから無駄が無いのです。
水気をぬぐったら、小麦粉か片栗粉をまぶして揚げる~甘辛ダレにつけ込むと、ほら、名古屋の手羽先風になりますでしょ。

 または、頂き物の少し美味しいコンソメの缶詰があったら、倍に薄めて野菜だけ入れてやはり、20分くらい煮込んでみて。そのままより、量は増えるし、味も自然な感じになります。

 そのあたり、材料費と手間などと、味のバランスは、みなさまご自身でお決め下さい。

 やっぱり自分で取ったブイヨンがおいしいな。と思いますが、本格ボローニャ式では、カッポーネと呼ばれる大型の去勢雄鶏を使った丸鶏スープを使います。
 カッポーネは飼育に時間がかかるため、かなりの高級品。クリスマスの頃以外は入手も難しいモノですが、このトルテリーニインブロードがクリスマスの特別なご馳走パスタですので、材料費も惜しまないのでしょうね。

実は、今度、もしかすると高知県が誇るブランド地鶏「土佐ジロー」の親鳥が手に入るかも知れません。
 親鳥ですから肉は固いはずですが、その分ダシが出る!考えた他だけで、ヨダレが~!

もしかすると、どこかのタイミングでこの土佐ジローのスープがアトリエでも味わって頂けるかも?
いっつも、参加費と材料費にあんまり差が無くて悩んでいるわたくし、さらに辛い…
 

ateliernov

これは、先日の「ノア流」アトリエ、の前菜です。
 
もちろん、季節的に材料は基本同じなんですが、そこは気まぐれな、わたくしのこと、前菜に関しては、毎回多少の変化球はお許し願っております。

わたくし、ブロッコリーより本当はカリフラワーが好き、というか大好きな野菜のひとつです。
固めに茹でて、また柔らかく茹でてからジャガイモみたいにマッシュ、衣を付けて揚げたフリット、生でこりこりの食感を楽しんだり…。超変化球、としては表面を削るようにすると、さらさらのカリフラワーのクスクスみたいになるので、それを北アフリカ風の味付けのサラダにしたり。スープもグラタンもおいしいなぁ~。
 と、きりが無いない。

で、イタリアンでは今回のようにタコと合わせるのが結構多い気がします。
 写真は、柔らかすぎない程度に茹でたカリフラワーと国産の茹でタコをオリーブオイル、レモン汁でシンプルにマリネ。
 ちょこっとスライスした生カリフラワーも添えて、トリュフオイルで香り付けしてみました。
カリフラワーとトリュフオイルも相性が良いの!

 先日、帰国する際の機内食では、カリフラワーとイカを使ったサラダ?みたいのが出ましたが、いつものタコの方が美味しいような気がしました。
カリフラワーはピュレにしてあるのと、生を組み合わせたりして、ずっと凝ってたんですけどね。ま、空の上の食事は、作り置き?冷凍?気圧のせい?で、何を食べても美味しく感じない。
 エンジンの音がずっとしているのも、味覚に影響していると思われます。

 カリフラワーの前菜を基本にするつもりですが、もしかすると、美味しそうなイカがあったら、それも試したい、野菜もそろそろポロ葱の季節に入っているし…。
 と、きまぐれ前菜のアイディはどんどん出てきます。みなさま、どうぞお楽しみにね。
(なるべく、同じようなモノにしようと努力するつもりも、あるんですが)

ところで、23日金曜日、なんと審査員100人と視聴者の投票でグランプリを決める。NHK総合テレビ「宝めし」の審査員として出演して参りました。
1/100分の存在、以前に有名なシェフや芸能人など、そうそうたるメンバーの中で、絶対に映らないと安心してパクパク味見している、わたくしの顔はそれなりに画面に登場していた、と夫は申しておりました。
もしかしたら、番組をご覧頂いてお気づきになったかしら?
 本当に隠れた、知られざる、日本の素朴なお料理を試食する機会を頂いて、感謝。
 どれも、味わい深くて…感動。
 もう、30年弱も前のことですが、イタリアンは家庭料理が美味しいと聞いて、現地の家庭を訪問、あたたかく迎えて頂いて習ってきたイタリア料理の数々をアトリエでレッスンしていますが、日本の味もやはり、家庭の味なんだと再認識。手間と愛情をたっぷりかけた料理以上のものはないですね。
 番組終了後、イノッチさんが出演者ひとりひとりと握手して下さったのも嬉しかったです。

 



tartar

以前も登場した、オバチャンがすごく働き者のビストロでランチ。
12時前に入店したら、店の一番奥の隅っこで落ち着ける、大人気のテーブルに案内されました。
「13:30に予約があるので、それまでね」と言われましたが、たしかに おしゃべりしながらワイン飲むには最高、店の中全体が見渡せるし。

 と、Bestテーブルは照明が暗め、で写真がすごいことになっていますが。
 これこそ、パリ肉食生活を書くなら、絶対に忘れちゃいけない料理。
 牛肉のタルタルステーキです。

この店は一番人気メニューはなんと言っても ブッフブルギニョン~牛肉の赤ワイン煮込みですが、庶民のビストロのお約束、ステークフリット、ビフテキのフレンチフライポット添え、そして、このタルタルステーキも注文する客も多いです。ですから、タルタルステーキも肉が新鮮で安心。
 生肉をたたいて、マスタード、タマネギのみじん切り、ピクルス(もしかするとケイパー)、塩胡椒、レモン汁、ウスターソース(イギリスの)、ケチャップなどで味付け。
 この店のは、少しケチャップが多いのか、わたくしの好みから言うと、甘口すぎるけど、肉自体はおいしい。

前回書いたブラスリーはけっこう高級店なので、値段も2倍弱と高い!けど、味付けはお客の好みを訊いてから、店の中央のサービステーブルで、作ってくれる=ステキ、庶民的なのもまた良し、ということで。

 だって、日本では牛肉の生食って、ほぼ禁止ですから、タルタルステーキは食べられないもの、せっかくパリにいる間にチャンスを逃がしたら大変よ。

 去年な?前にいつもの焼き肉メンバーで行った焼肉屋ではメニューにユッケがあって、驚いたら
「馬肉だからOK」とのことでした。
 逆にパリでは牛肉の生食は全然問題ないけれど、馬肉はなかなか食べるチャンスが無くなっています。

 15年前、わたくしがパリに住み始め頃でも、ずいぶん少なくなったと言われていた馬肉の専門店が、どんどん店を閉じていますし、マルシェ(市場)の馬肉店も見掛けなくなりました
 25年以上前、イタリアの料理修業時代は、下宿のマダムが「馬肉は脂肪が少なくて、鉄分など豊富なヘルシーな食材」と主張するので、しょっちゅうカルパッチョを作ってたのだけど、イタリアでもあまり食べなくなったとか。
 乗馬を楽しむ人々=お金持ちが多い、にとって可愛いお馬さんを食べるなんて残酷、ということなんでしょうが、ウサギの時も書いたけど、牛や豚だって、可愛そうなのは同じ。命を頂く感謝を忘れちゃいけないと思うのですけどね。

もう、パリの肉生活について、書き終わったかな?

東京に戻ってからは、和食を食べ続けているのですが、昨日から夫が「胃もたれ~」と言い出しました。
少し風邪気味なのも原因らしいですが、1週間の魚中心食生活(1回だけすき焼きで肉食べたけど…)で元気がでないのかしら?


stella

パリから東京へ向かうフライトは夜の出発ですから、ランチはパリでゆっくり。
とはいえ、それなりに長く留守するので、冷蔵庫の整理のことなども考えて、外ごはん。たいていは自宅近所のビストロで食べるのですが、今回は日曜日で祝日。
 ほとんどのレストラン、そして馴染みのビストロも営業しないのですが、以前住んでいたアパートの近くのブラスリーは年中無休。

 日本でも、料亭(ま、これはわたくしの生活には縁が無い)、割烹、居酒屋、定食屋と、食事を出す店にも様々なカテゴリーがあって、わかりにくいけれど、フレンチの場合も難しい。
 レストラン、と言った場合、割と高級な店も指すし、なんとなく「食事できます」的な店のこともある。
 ビストロは居酒屋、と訳されることが多いですが、かなり高級レストランと変わらなかったり。
 また、カフェがコーヒーだけじゃなく、気軽な食事を提供して、これが美味しかったりする。
 その中でブラスリーは基本的にはビールを出す店、と言うことになっているけれど、実際には大型の飲食店で、ビールは必ずだけど、ワインも、食事も提供。店が広いから、ファミレスっぽい雰囲気もある、と説明しにくい形態です。
 レストラン、ビストロと称する店に比べ、大型店だから? ブラッスリーを名乗る店は余り多くありません。
 その中で、けっこうパリBestファイブな店が近所だったので、良く通いました。偶然、は重なって、現在はこの店の顔なじみのマネージャーさんと家が近所…。

 というわけで、パリ肉食祭り、の最終日は馴染みのブラスリーで夫は鴨の胸肉のステーキ
 焼き方を訊かれて、レアと答えたらこんな。ほぼ「鴨肉のたたき」みたいのが出てきました。
 赤身の刺身っぽくて、日本に帰ることを実感したほど。???

stella1

こちらは、わたくしが注文した仔羊の背肉ロースト。これは、いつも食べる仔羊より、すこし羊っぽくて「子供羊」な肉でした。ミディアムの焼き加減で食べました。
 厚切り塩味ジンギスカン、と表現したい味わい。

 この店、冬には店頭に殻付き牡蠣がずらっと並び、お客の半分は砕いた氷の上に乗った牡蠣を注文する名物になっていますが、わが家は前日も自宅で牡蠣だったし、お店で食べると、お値段が倍以上になるのでパス。
周囲のテーブルの牡蠣や新鮮な魚貝盛り合わせをうらやましく眺めるだけにしました。

 さあ、もう書き残しは無いでしょうか。これで、パリ肉食滞在レポートを最後にしたいと、思っています。

今週金曜日11月23日夜7時30分から10時まで、NHK総合テレビで放映される「宝メシ」に出演予定です
総出演者100人を超えるそうで、わたくしは、果たして画面に登場出来るのか?(番組紹介のホームページには審査員として顔写真が掲載されております)
 あのイノッチが総合司会、他にも有名人が沢山登場されるようだし、全国の美味しいモノが一杯の番組になるはず。お時間があったら、ご覧下さい。そして、一瞬のわたくしの画像を見つけて下さいね。

rillon

さて、まだ続くパリの肉メシのお話です。
この写真は何?鍋から取り出した豚の角煮が乾いちゃった?
違うけれど、ある意味近い。
これは、リヨンと呼ばれる豚肉の料理というか保存食。豚バラ肉を塩漬けしてからラードでじっくり火を通した
いわば、豚肉のコンフィです。

 リヨンといっても、フランスのパリに続く大都市のひとつ、美食の街で有名(まだ逝去のニュースも記憶に新しいポールボキューズさんの店もある)なリヨン市とは関係ありません。ラ行は日本語では一つだけど、フランス語ではLとRで全然違う。この豚肉のリヨンはrillon 都市名はLyon ですから。

 最近はお洒落なワインバーなどで、鶏肉のコンフィーは人気メニューだし、凝ったところだと、豚肉で作ったコンビーフ?的なリエットも登場しますね。

 リヨン、リエット、けっこう似た名前=作り方もほぼ同じです。リエットは(豚肉の場合)豚バラ肉とかを塩漬けにしてからラードで柔らかく、柔らか~く煮込んで、脂ごとほぐしてペースト状にしたもので、パンにのせて食べたら最高。なペースト状にした肉と脂。

 話がそれますが、このリエット、前回の羽田→パリ の機内食に出たのですが、パサパサの肉で出来た練り物のようなモノで、はっきり言ってコンビーフより脂っけなく。まったくの別物、としか感じられませんでした。

はい、戻ります。
一方リヨンは塩漬けした豚肉をラードでほどよく加熱した状態で、少し温度が高いためか、表面には焦げ色が付いて、乾いてはいないけど、水気は無い状態。

シャルキュトリー(ハム、ソーセージ、お総菜などを扱う店)では、たいてい置いてあるけれど、欠品することも多いのは、作るのに手間がかかるのでしょうかしら。
rillon1

いかにもスモーキーな外見ですが、スモークはしてありませんし、(恐らく)脂の中で煮ると逆に肉の脂が逃げるのか、バラ肉といっても味わいはそんなにしつこくありません。

 標準的な食べ方は、温め直し(オーブンだと時間がかかるけど、電子レンジなら、簡単。ただし加熱しすぎると台無し)スライスして、マスタードを添えるだけ。
 わたくしが買う店のは、塩気もちょうど良く、パクパクいけます。
 この写真だと粒マスタードだけど、もうすこし辛味の効いた、なめらかタイプのフレンチマスタードが好み。
今回、粒マスタード好きな夫に負けた~&インスタ映えはこっちか。

上はひとりランチにぴったりな「リヨンのタルティーヌ」
タルティーヌはパンに何かを塗ったものの意味ですが、最近はオープンサンド全般を指していて、ワインバーのおつまみや軽食に人気です。
 イタリアンならブルスケッタですね。

茹でたほうれん草などの青菜、そしてスライスしたリヨンを軽くトーストした田舎パンに乗せる、簡単ワインのお供。小さく作ればアペロのおつまみにも。

豚の角煮のフレンチ版的なリヨン、日本でももう少し認知されて欲しい一品です。

↑このページのトップヘ